あおぞらのつぶやき -290ページ目

この冬初めての雪。
ちょっと出かけるのは大変ですが、空を見上げていると、言葉の断片が僕に降ってくるような気がします。
聞き逃さないように、忘れてしまわないように書きうつしたいものですが、僕では力不足のようです。
儚く強いものには憧れますね。

秋葉

満月の夜に

薄氷の上に立っているような
張り詰めた空気の中で
今日の満月は一際冴えた光に見えた。
昨日あまり上手くいかなかった分
少し気合を入れてカメラを構えて…
やっぱりブレた。
普通の写真なら
問題ない程の微かなブレでも
光そのものを捕らえるとなると
シビアに現れてしまう。
一人望遠鏡の前で呼吸すら止めて
ベランダにしゃがみこむ怪しい人物
見かけたらきっとそれはあたし…

ゆき

飛行機雲のあとで

午前中見上げた空に伸びていた
白い飛行機雲。
東から西へ、見る間に消えた。
「午後は曇りそうね」
彼女が言った。
仕事を終え街を歩きだした僕の見上げた空は、
彼女の言うとおり雲が広がっていた。
僕の横を
彼女が微笑みながら追い抜いていった。

秋葉